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■ピカソ通信 2003年2月2日号 臨時増刊No.15■
〜 エアープランツ大特集 〜
等幅フォントでご覧ください
☆ 本編(Vol.37)は届いていますか? 届いていない方はご一報ください ☆
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◆ ♪ ◆ ■ 特集 ■ 「エアープランツ」を鑑賞しましょう。
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◇◇
◇■ エアープランツって?? ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◇
ピカソのライブをはじめあれこれお世話になっている嘉多山信(かたやま
・まこと)さんのインストバンドです。
去年の春にみしま・カオルさんと偶然ライブが一緒になり、そのライブ
を見た人の間で評判になっていました。
今回は、メンバーの皆さんやライブの様子など紹介したいと思います。
なお、詳細は嘉多山さんのサイトのエアープランツのページも(^_^;
嘉多山信 公式サイト「こくぶんじ通信」
http://members.jcom.home.ne.jp/ktymmktgggg/
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◆バンド紹介
◇◇◇
バイオリン、チェロ、ギターの3種類の弦楽器で構成されています。 ◇
バイオリンは阿部美緒さん。チェロは橋本歩さん。そしてギターは ◇
嘉多山信。それぞれ幅広くお仕事をされているようで、阿部さんは ◇
「nature blunt」、橋本さんは「GENER-LESS」、嘉多山さんは「喝! ◇
タルイバンド」と他のバンドもされているようです。
ものの見事にまるで違うバンドのようなんですけどね、これが。
(この後のインタビューで、別バンドの話が出てきます)
結成のいきさつですが、まず、嘉多山さんと阿部さんが「かの香織」
さんのサポートで出逢い、その後、河村隆一のコンサートツアーで
3人が同時に参加することになり。で、阿部さんと橋本さんが以前か
らの知り合いだったことから、「3人で何かやってみよう」という阿
部さんの一声で結成と相成ったそうです。
ステージは、向かって左から阿部さん・嘉多山さん・橋本さんの順
に座ってます。「両手に花」という感じですね。
演奏の方も2人の女性をエスコートするかの如く嘉多山さんはリズム
を、阿部さんと橋本さんは代わる代わるメロディを奏でています。
◆レパートリー
◇
詳細は上記のサイトに1月のライブで演奏した曲目が挙がっています ◇
ので、そちらを見ていただくこととして…。 ◇◇◇
ロックの名曲あり、シャンソンあり、勿論オリジナルありで、幅広 ◇
いジャンルの中から演奏されています。アレンジも絶妙で、元の曲 ◇
を知らない私なんかだと「元々こういう演奏なんじゃないか?」と思
えるほどです。
シャンソンはライブだと、ゲストが入ったりもするようです。以前、
ピカソの森さんもゲストでアコーディオンを演奏されていました。
オリジナル曲も非常に聞きやすいです。文字通りイージーリスニン
グですね。メンバーそれぞれが曲も作るようで、それがバンドの更
なる幅となってくるのでは?と思います。
◇◇
◇■ そこで、インタビュー。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◇
メンバーの嘉多山さんと阿部さんにインタビューを行いました。
嘉多山さんはピカソをはじめ、3日続けてライブという過密スケジュー
ル。阿部さんもこの日の夕方、銀座でお仕事とのことでした。
(注:あくまで音楽の仕事です!!)
橋本さんは「GENER-LESS」のライブ当日のため、ご欠席でした。
お忙しい中、快くインタビューに応じてくださったお二方、本当にあ
りがとうございました(^^)
◆バンド名の由来
◇◇◇
空気中の水分を葉から吸収して育つという“空中植物”。 ◇
「以前、CDを作ろうって話があった頃に、『今日、どうしてもバン ◇
ド名を決めないといけない』という時になって、3人で考えた結果、 ◇
あゆみ(橋本さん)の発案で決まった」とのこと。 ◇
(ちなみに嘉多山さんは「コンクリート・ファイヤー」というバンド
名を提案したものの、2人に全力で却下されたそうです)
空気中に音の種を巻こう、という意味を…
「こめたことにしておきましょう(笑)」
◆エアプラのサウンドって…
◇◇◇
嘉多山「ギター的には結構、難しいんです。リズム楽器がある訳じ ◇
ゃないし」 ◇◇◇
阿部 「だから最初、ウッドベースを入れようという話もあったん ◇
ですけど、敢えて辞めよう、と。 ◇
ストイックに行ってみようかな、と」
嘉多山「そうそう、3人でできるトコまでやってみようって感じで。
だからある意味、修行的なバンドでもあるんですよ」
——この編成って、基本的に低い音が無いですよね?
阿部 「一番低い音がチェロで、ギターがベースがわりになったり
とか」
——ギターのグルーヴ感がすごいですよね。
嘉多山「えぇ。グルーヴマスターとして頑張ります(笑)」
◆other works
◇
嘉多山さんは「the REDS」でギタリストデビューし(後に「Marquee ◇
Moon」と改名) 、その後「G string」で活動。 ◇
現在は、レギュラーメンバーである「エアープランツ」の他、Piasa ◇◇◇
さんや絹子さん、カレイドスコープ、Acute Ballといったアーチス ◇
トのサポートをされています。
「Piasaはフレンチポップスでイイ感じ、オススメ(^^)」だそうです。
また、「ASAYAN」出身の日韓出身2人組アイドル「route φ(るーと・
よん)」のデビュー曲を提供。
「レコーディングの1週間ぐらい前に関係者から呼び出されて『急な
話だけど、2曲書いてくれ』って言われて」作ったとか。
阿部さんは「nature blunt」という別バンドで活動中。
バイオリンの阿部さん・キーボードの“ミューク”こと高橋英明さ
ん・映像デザイナーの兼古昭彦さんによるユニット。
「nature blunt」の公式サイトで試聴できます(要Media Player)。
ちなみに、公開中の「Bird」は阿部さんの作曲。
「徹夜して、朦朧とした意識の中で作った(^_^;」そうで。
その他、一時期はアニソンの奥井亜紀さんのサポートもされていた
そうです。
最近は「頭脳警察」のPANTAさんのステージにも参加されています。
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視覚的な空間創造。未知の癒しの世界をぜひ!
「nature blunt」 web site
http://www.ne.jp/asahi/web/natureblunt/welcome.htm
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◆ピカソには足を向けて寝られません…
◇
嘉多山さんにとって、森さんとの出逢いは「the REDS」のサウンド ◇
プロデューサーとしてでした。「最初は『怖い』って印象でした。 ◇
何ヶ月も打ち解けられなくて…(^_^;」 ◇
その後、ピカソのシングル「太陽だけが知っていた」のレコーディ ◇◇◇
ングに嘉多山さんが参加して、そこで後の2人と出逢って。
「純二さんはあぁいう性格なので(笑)、すごく親しみやすかった。
リーダーは『もしかしたら、怖いんじゃ?』って思いました(^_^;。
でも今となっては、3人ともすごく、やりやすいですよね。こっちも
気を遣わなくていいし。最初は僕、むちゃくちゃ緊張していたんで
すけど」
知らず知らずのうちに、打ち解けていたそうです。
「『the REDS』の時は自分にとって、プロのスタジオでレコーディ
ングするというの自体が初めてで、その時に居たのが森さんだった。
スタジオミュージシャンとして、バンドのメンバーに『初めまして』
と挨拶するという現場を初めて体験したのも、ピカソだったし。
そういう意味で自分のギタリスト人生は、ピカソから始まっている
所があるんですね」
阿部さんはまだ、森さん以外のピカソメンバーとはあまり話したこ
とがないとのこと。
ただ、阿部さんが去年の4月、お茶の水のピカソライブを観に行った
時、なんと自分の持ち物を会場に忘れてきてしまったそうで。
「そしたら、リーダーが自宅まで送ってくださったんです。しかも
『着払いでいいです』って言ったんですけど、元払いで送ってくだ
さって…あの時は本当に、失礼いたしました(^_^;」
ちょっといい話でした。
◆阿部さんがポップスを始めたきっかけ。
◇
阿部 「普通にクラシックでバイオリンを始めて、普通の音大に行 ◇◇◇
って、音大の時にバンドの人に逢ったりして、そこでポッ ◇
プスの仕事をもらうようになりました」 ◇
嘉多山「グレちゃったんだよね」 ◇
阿部 「(笑)」
嘉多山「でもね、バイオリンで、即興演奏がパッとできる人って実
は少ないのよ。クラシックは基本的に、譜面に忠実な世界
だから。そういう意味で、阿部ちゃんは貴重な存在(^^)」
◆嘉多山さんはどうして「がっちゃん」なのか?
◇
「これには長〜い歴史がありまして…。 ◇◇◇
18歳の時、学校の寮で、隣の隣の隣の部屋の友達から ◇
『嘉多山君って、アニメのアラレちゃんに出て来る“がっちゃん” ◇
に似てるよね??』と言われて、その日からそいつに“がっちゃん” ◇
と呼ばれるようになった。以来21年間、ずーっと」
◆がっちゃん走る。
◇
嘉多山さんとピカソの辻畑さんは「元陸上部」つながり。 ◇
しかも、2人とも長距離ランナーだった。 ◇◇
「以前、八王子の工学院でレコーディングをした時、目の前に400m ◇◇
のグラウンドがあって、リーダーと2人で『グラウンドだねぇー! ◇
走りたいね〜!!(*^^*)』とソワソワしました」
テレビの中継も見るものの、自分で走る方が好きだと。
「ある日、マラソン中継見てたら急に走りたくなって、府中の平和
の森公園まで『わーーっ』って走りに行ったら、たまたまそこにド
ラムの河野さん(Rough Diamonds)が居て『がっちゃん♪』って声を
かけられて、恥ずかしかった(^_^;」ということがあったそうです。
「サングラス姿でジロジロ見るんですよ。最初、誰か分からなくて
『誰〜?』と思いながら走っていました」
好きな陸上選手は? とお聞きしたところ
「高校生の頃は瀬古とか好きだったけど…。あ、中山がいいなぁ〜。
中山が走るってんで、四谷に東京国際マラソンを見に行ったことあ
るんですよ」
◆今後の予定は?
◇
嘉多山さん曰く ◇
「本当は去年ぐらいにCDを作りたかったんだけど、3人のスケジュー ◇
ルが合わなくて、河村隆一の全国ツアーも始まっちゃったんで、後 ◇
半はエアープランツ自体、あまり活動できなかった。 ◇◇◇
今年からまた、いろいろやりたいと思ってます」
——CDはメトロノームレコーズから出るんでしょうか?
「できれば、そうなったらいいなーと思いつつ…。
でも、まずは音源を作らないと。森さんにも声をかけているし」
◇◇
◇■ ライブ風景 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◇
1月の10日に行われた「EG-Mode」に行ってきたので、その様子を。
対バン形式のライブだと、音楽系統からして前半にあるだろう? と踏んで
いたのですが、予想通り2番手。1番手はメインバンドのプチ版だったので、
事実上トップと言ってもいいかもしれないです。
嘉多山さんはジャージ、阿部さんと橋本さんはセーター…といったラフな
服装で登場でした。
前に観たときは嘉多山さんが1人でMCをしていたのですが、今回は回り持ち。
阿部さんのとてもたどたどしいMC、逆に非常に慣れた橋本さんのMCのどち
らも見ものでした。
普段はサポートばかりで、自分の前にマイクが声用にあることは少ないん
でしょうね。嘉多山さんもちょっと危なげです。
演奏の方は慣れたもので、非常にすばらしかったです。
途中2曲ほどシャンソンがあったのですが、ゲストが2名参加されまして。
パーカッションとアコーディオン、そして歌声がプラスされました。
サポートの方は2月のライブでもご一緒なので、もしかしたらまた同じ光
景がみられるかもしれないです。
1曲辺りが長めなので、曲数の割には時間は長めです。
音もやわらかいのでゆったりと浸れました。
この後トリで、嘉多山さんがメンバーになっている別バンド「E.S.B.(エ
ンリケ・スペシャルバンド)」の出番だったのですが、このステージにも
時々、阿部さんと橋本さんが登場。エアープランツとは違って、サイレン
ス楽器を演奏していました。
嘉多山さんだけでなく、3人とも後ろに楽器が置かれる日が来るかもしれ
ません。と次回を楽しみにしてしまうのでした。
懐広そうなんですもの、ほんと。
◆◇◇◇ ◇◇◇◆
◇ next GIG ! がっちゃんPresents「G-MODE」 ◇
◇  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ◇
2月13日(木) 18:30開場 / 19:00開演 at 吉祥寺 Planet K
喝! タルイバンド / エアープランツ / Piasa / 絵ハガキ
嘉多山さんの知り合いミュージシャン大会です。
◇ 「絵ハガキ」は、ギタリストのCHIEさんが昔からの対バン仲間。 ◇
◇ あとの3組は、嘉多山さんが参加します。 ◇
◆◇◇◇ ◇◇◇◆
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◆ ♪ ◆ ■ 編集後記 ■
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久しぶりのライター復活でございました。
今年はサイトの更新をするぞ! と心に決めてライブいっぱい見に行く所存です。
(鴉)
あれは、1年半ぐらい前だったでしょうか。
ある日たまたま、検索で、嘉多山さんが書いたリレーエッセイを見つけまして。
「永遠」というタイトルのそれを読んで、もう、爆笑!....
いつもピカソのライブで、寡黙にギターを弾いておられる嘉多山さんの姿から
は想像もつかない、面白い文章でした。
スタジオミュージシャン、サポートミュージシャンという方々に私が興味を感
じる様になった、1つのきっかけだったと思います。
その嘉多山さんが“主役”になって結成したエアープランツ。
なかなか聴く機会が無かったのですが、今回のご縁でようやく、音を聴くこと
ができました。「この編成で、ここまでできるのかぁ....」と驚かされていま
す。「癒される」という評判も分かる気がします。
そうそう、あのエッセイが「こくぶんじ通信」に再掲されていますので、ぜひ
そちらも読んでみてください(^^) (ぎねね)
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