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2003 2002 01-00

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 │NY  │  ■ピカソ通信 2003年4月1日号 Vol.41■
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   -  -  川        「いや/いや(笑)」号。
  ζ.: D 
    :;:ノ                等幅フォントでご覧ください
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◆ ♪ ◆  ■ 特集:「PROJECT PICASSO」3周年記念インタビュー。■
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特集記事、今回と次回(5月1日号)は「from PICASSO」と合体です。
3月9日、横浜インストアライブの日に行いました、ピカソお三方のインタビュ
ーをお送りいたします。
「PROJECT PICASSO」の“これまで”と“これから”を語っていただきました。
今回は彼等自身=ピカソとしての話を中心に、それではどうぞ。

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| ライブ、増えました。 |    └────────────────*
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—— まずは本日のインストアライブ、お疲れ様でした。
   今までのそれとは違った曲目もありましたね。

東純二(以下「東」) 
  実はおとといのリハーサルまでは、今までと同じ様な曲をする予定だった
  んだけどね(笑)。
辻畑鉄也(以下「辻」)
  遠くからとか、いつも来てくれる人も居るし、それで....
東 そうそう、急遽「何かやろう!」って。3人でやる時って、割と急にでも代
  えられるよね。バンド編成だと、なかなかこうはいかないし。

—— この3年間で、ライブの回数も増えましたよね。

辻 増えたよね。まぁ、これでも“多い方”ではないんだけどね(笑)。
森英治(以下「森」)
  ライブもレコーディングもだけど、前よりも楽にできる様になったから
  回数増えてるんだと思う。この歳になって、できるようになりました(笑)
辻 ていうか、楽じゃなきゃできないんだよ。この歳だから(笑)
森 キティに居た頃は、ライブが苦しかったのかな?....なんて思う。
  それは会社がどうこうじゃなくって、自分達の気持ちの問題で。
  それがなくなったから、増えたんでしょう!(^^)
辻 ツアーとか組める様になったらもっと多くなると思うんだけど、こればっ
  かりは、呼んでくれる所がないことにはね(^^;

—— メジャーの頃って、どうしてライブが少なかったのですか?

辻 単純に言ってしまうと、やるまでの準備が大変だな....って思って。
  やっちゃえば平気になれるんだけど。今日もそうだったんだけど、やる直
  前までは「あー、ライブなんて決めなきゃ良かったな」て思うんだよね(笑)
森 そうなの!?(笑)
辻 だって、手間とか考えるとね....。
  それと、少なかった理由はもう1つある。だって唄、下手だったもん(笑)
  (「えー!?」一同笑)
  今は何とか、ちゃんと唄える様になったと思う。
  ルックス的にも歳だし、人前に出れる風貌じゃないよなぁ....って思うけ
  ど、でもやれば楽しいから、やっちゃってる....って感じだね。
  バンドの演奏も、この3年間でみんな、うまくなってると思う。
  この間、3年前の南青山の時のビデオを見直したけど、今に比べたらひどい
  のなんの(笑)。

—— ライブの雰囲気も、メジャー時代とは随分変わりましたよね。

辻 何より思ったのが、昔は、こんなにたくさんのお客さんが楽しんでくれて
  るなんて思わなかった。昔のライブってみんな、シーンとしてたよね。
  こっちの責任でもあるんだけど。
  本当なら、以前のライブの方が俺達も若いし、観に来てくれる人達も若い
  んだから、盛り上がりそうなものなのに、歳とった最近の方がみんな楽し
  そうに聴いてくれてるってのは、よく考えると面白いよね。

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|  ロータスイーター。 |    └────────────────*
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—— 「SPICE」ができてあまり経ってないのに、どうしてまた、早いペースで
   新作を作ろうと思い立ったのですか?

辻 以前はずっと2年に1枚作ってきたけど、その頃は契約上のしがらみがいろ
  いろあって。でも今はそんなこと気にしなくていいし。
  まぁ、でも....まだ出来上がってないから(一同笑)。
  「SPICE」だって、結局2年かかっちゃったし。
  「曲を作りたい!」というテンションって、何もしないとどんどん薄くなっ
  てしまうよね。だから、なくならないうちに作らないと(笑)

—— この時期にこんなことをお聞きするのは、酷かもしれませんが....
   どんな感じになりそうですか? 「SPICE」と同じ路線、とか....?

辻 いやいや、変わると思うよ。
  違うことやらないと、「作ろう!」っていうテンションもあがらないし。
東 ぼんやり今、思ってるのは“今の自分達に向かって....”というか、今の
  自分達をみんなに聴いてもらう、って感じかな。
  「みんな」っていうのも“みんな〜”(手を広げてぐるっと回した東さん)
  じゃなくって、個的な感じ(1つずつテーブルの上を指差した東さん)。
  つぶやきって言うか、ひとりごとって言うか、そんな感じだね。
  音的にもたぶん、そんな感じになってそうな気がする。
  「どっかーん!」っていうより、「あ....、3人でやってるな(^^)」ってい
  う感じ。その方が、俺等も居心地がいいんだと思う。
  スケール感があって....というよりも、もっとフォーキーな感じかな。

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┌───────────*    |
|ポップチューンと日常。|    └────────────────*
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東 この歳になると、「あと何曲、作ることができるのかな?」って考えること
  があって。こんなこと言うと先を急ぐ様だけど(笑)、でも本当にそう思う。

—— そ、それって....(^^; 東さん、何かあったんですか?

東 いやいや(笑)。ほら、俺等の歳になると、身近な人に「介護」とか「別れ」
  とか、そういう話が増えてくるじゃない。
  だから、自分自身の人生を見直す機会....「ちゃんと向き合わないといけ
  ない」って思うことが、すごく増えてきて。
  今まではそういうものって、音楽とは関係ないんだろうなって思ってたけ
  ど、実はなんかすご〜〜く、密接な関係がある様な気がするのね。
  自分自身から出てくるものだから。

—— そういえば以前、公式BBSにリーダーが“slow good-bye”と書いておら
   れて、一瞬ドキッとした覚えがあるのですが....

辻 あぁ、あれね。介護をテーマにした本のタイトルなんだけど、例えばそう
  いう、日常のいろんなアイテムを唄にしてもいい時代だと思うし、自分達
  もそういう歳になってると思う。
  何より、それをポップチューンとしてできるだけの技量が自分達にはある
  と思う。そういう意味で、自分達も間尺が大きくなったと思うよ。
東 ビートルズって、そういう意味で凄い唄を作ってるよね。
  ジョンレノンの「Let It Be」って凄く達観した様な唄だけど、それを彼等
  は20代で作ってるんだよね。
辻 みんな、最後は歳取って死ぬ訳だから。でも子供の頃って、それは実感し
  てないよね。生きてく間に周りでいろんな別れがあって、だんだん実感す
  る様になる。それって、逃れられない運命なんだよね。
  もしかすると、今だって“slow good-bye”は始まってるかもしれないよ。
  俺達ってさ、子供にはなれないけど、年寄りにはなれるんだよね。
  年上の人を見て「可哀想」って思っても、いずれ自分だってそうなるんだ
  ってことが、この歳になると分かってくるんだよね。
  その間にさ、『楽で楽しいことやろうよ。』ってことかな。

—— そ、そんな深い意味だったんですか....ロータスイーターって....

辻 いやいや(笑)、そんなに深刻な訳じゃないから。
東 でも、そんな匂いはあるよね。イヤなことに蓋をするって意味じゃなくて、
  何もかもさらけ出しちゃおうって意味で。
辻 思いついたことは、早くやった方がいいよ。
  今の世の中、いつ、核が飛んでくるかも分かんないし(笑)。

—— 夏には発売予定....とのことですが?

辻 「予定」じゃないよね。夏に出すならもう「決定」って言わないといけな
  いんだよね....通販の1ヶ月半前には音源を作らないと。
  これが流通となると、4ヶ月前ってことになるんだよね。
  新譜情報に載せるのに時間かかるし、それから店からの注文を受け付ける
  のにも時間がかかるから。だから今回も、通販は早めに始めると思う。

—— そして、最大の敵が花粉....という訳ですね(笑)

辻 いやいや(笑)。今回はそうでもないよ。
東 ちょうど、梅雨の頃に唄入れになりそうだし。
辻 今まで梅雨時に唄入れしたこと無かったんだよね。いつも春で。
  それができるかどうかは、コイツ(東さん)の作詞にかかっている(笑)。


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◆ ♪ ◆  ■ 最上三樹生の好評連載 ■ 「ピカソ」との時間 第16回
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1995年秋、THE ACOUSTICS、グラナダと続いた九州勢のレコーディングセッショ
ンの合間に、「らんま1/2」のサウンドトラックの焼き直しという仕事が舞い
込んできました。キティお得意の、おいしいものは二度三度方式です(^^)。

東京に戻っている暇もなく、箱根のスタジオで、コントロールルームは九州物
のトラックダウン、スタジオサイドはらんまの録音という体制が作られました。
その時にギターを弾きに来てくれたのが、この前の梅乃のライブでギターを弾
いてくれた「加藤さん」でした。「らんま1/2」のサウンドトラックは、森さん
の代表作といってもいいくらい(^^; 数々のテレビ番組で耳にします。特に、中
華特集とかいう番組では、必ずあの名曲シャンプーちゃんのテーマが流れます。

「音楽の鉄人編」というタイトルが付いているこのアルバムも、結構な数売れ
たのだと思います。こういった、低予算で利益が結構あるものを、「少ない予
算でビッグな企画(^^)」と呼んでいます。
意外と多いんですよ、こういう話(^^;。

さて、九州勢が一段落したと思ったら、また九州勢です(^^)。
今度は、伊豆スタジオでColorsという二人組の録音です。Colorsは、山田竜一
と津久場郷史という見かけはぱっとしない二人組です(^^;。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3863/ なぜ、公式ページがgeoなんだ
ろう....(^^)

Colorsはこれ以前にすでに何回か箱根にやってきて、デモテープを作ったりし
ていました。星勝さんの指導の元(かなりの部分でリーダーが苦労をしょって
いたとは思いますが)、アレンジが出来上がってきて、いよいよ伊豆スタジオ
でレコーディングです。

Colorsの二人とは、この後もずっと関わりがあって、かなり長い間のおつきあ
いになっています。松田真朝をピカソに紹介してくれたのも彼らです。九州ア
ーティスト学院という学校の事でも、なぜか関わりがあったりします。

さて、いつものメンバーが集まって、さぁレコーディングだと思ったら、スタ
ジオの機材が持ち出されてしまうという事態になってしまいました。
危うしColors....。


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◆ ♪ ◆  ■ 編集後記 ■
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今回のインタビューを終えて、ふと私が思い出したのは「チャンピオンのノス
タルジー」でした。当時の彼等は、このアルバムを作った後“燃え尽き症候群”
みたいな気分になったそうで、それがピカソとしての活動を長らく休止する伏
線になった....と、後に告白しているのです。
それからほぼ10年経って、今回取り組んでいる新譜「ロータスイーター」。
自分達の日常を見つめるというテーマは、「チャンピオンのノスタルジー」が
掲げていた“夢と理想のギャップ”よりも重いテーマだと、私は思います。
めぐりめぐる時の中で、少しずつ強くなったのであろう彼等が、今こうしてこ
ういう考えを持っている....というのが凄く頼もしく見えたし、自分が彼等の
歳になる頃、こんなカッコイイ生き方ができるようになりたいな....と、今回
真剣にそう思いました。                     (ぎねね)

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